立山・雄山 初めての3000M

山を歩く

昨年から本格的に登山を始めました。2000mの山もまともに登れなかったのですが、どうしても今年の夏3000mの景色が見たくて、綿密な計画をたてて臨みました。これはその感動の記録です。

計画を立てる

どちらかというと海に近い場所に住んでいるため、山登りの日は朝4時におきて、準備をして一番電車に乗っていきます。前日は興奮してなかなか眠れないので、いつも睡眠不足状態での登山になってしまいます。今回は体験したことにない3000m級の山なので、前日に目的地まで行って体を慣らし、十分な睡眠をとることにしました。そのため、以下のような計画を立てました。

8/1720:40東京駅発 室堂行き直通バス車中泊
8/187:00室堂着 室堂平散策(2500mの高地で体を慣らす)室堂平のホテル泊
8/19早朝出発 雄山登山 (朝食をお弁当に変更)天狗平のホテル泊
8/20朝食後チェックアウトし、室堂~黒部ダム~扇沢(立山黒部アルペンルート)
信濃大町~新宿(特急あずさ38号)

選択肢は3つありました。
<その1>お盆休みの期間であれば、新宿発の夜行バスで扇沢まで行って、そこから立山黒部アルペンルートを利用するのが安くて良いのですが、残念ながら時期を外れているため扇沢で2時間以上を始発待ちをしなければないことがわかりました。扇沢の駅で夜明け前から2時間待つことがどんな感じか想像もつかなかったので、今回はやめました。
<その2>8月18日に東京発の新幹線で長野まで行き、そこからバスと立山アルペンルートで室堂まで行く方法。これはどんなに頑張っても到着がお昼になってしまいます。しかも、料金が室堂行き直通バスと変わらないので、今回はやめました。
ということで今回、室堂行き直通バスを選びました。

室堂行き直通バス

こちらは、季節運転のバスです。今年は7月14日から8月30日まで運行していました。東京から立山室堂まで直通です。乗り換えなしで便利です。ただ、東京駅のほかに渋谷、新宿、池袋で15分近く停車するので、東京駅を20時40分に出発しても池袋22時30分出発まで2時間近く落ち着いて眠れません。そして、休憩が2回ありますが、よく考えたら10時間近くバスに乗っていて、しかも普通の4列シートの観光バスなので、途中から体が痛くなりました。でも、早朝に室堂についたときは、美しい景色に感動しました。

東京駅南口 3番バス乗り場から出発です
富山側にある「立山あるぺん村」で最後の休憩 セブンイレブンありました。
4列シートなので、ちょっと辛い

室堂平で体慣らし

朝7時に室堂駅に到着。扇沢方面からの一番バスはまだ到着していませんし、ホテルのお客さんも恐らく朝食の時間ということで、静かな室堂平です。荷物をコインロッカーに預けて、早速体慣らしです。

室堂山展望台

ちょっと歩いただけで息があがるような気がします。室堂平はすでに標高2450mです。生まれて初めての標高。酸素濃度は平地の75%。ここで高山病になってしまったら、明日雄山にアタック出来ないので慎重に行動します。歩いては休憩、歩いては休憩、深呼吸しながら登ります。

室堂山は標高2640m。無事にクリア。北アルプスの大パノラマ(五色ヶ原、薬師岳そして遠くに槍ヶ岳、穂高岳)が見渡せるそうです。しかし、私達にはどれがどの山だか分かりません。ただただ、雄大な景色に感動するのみ!

高山植物を眺めながらゆっくり下山し、次を目指します。青空が出ていますが、急に雨がふってきたりして山の天候がかわりやすいことを実感。

立山室堂~みくりが池

室堂山から下山して、立山室堂山荘の横にある立山室堂へ。日本最古の山小屋で、国の重要文化財だそうです。江戸時代に立山へ参拝する者の宿泊や建物遥拝のために使用されたそうです。明治以降は山小屋として使われていて、平成4~6年に解体修理して一般公開されているそうです。

さらに歩いてみくりが池へ。6月まではユキに覆われていて、湖面が現れるのは7月上旬から10月中旬なのだそうです。天気が良ければ、山が水面に映ってとても素敵なのだそうです。今回は、ちょっと雲が多くて風で湖面が揺れていて残念でした。それでもこの景色ですから、大満足。

レストランみくり

みくりが池温泉に併設のレストランみくりで昼食。白エビラーメンをいただきました。メニューはカツカレーやコロッケ定食、うどんなどなど美味しそうでした。

エンマ台展望台~雷鳥沢キャンプ場~称名川

地獄谷が一望できる高台。火山ガスによる中毒の危険性があるため、地獄谷内の歩道は通行止めになっていますが、周辺の散歩道や展望台もかなり煙っていて、喉がしみるような違和感あり。ハンカチを口に当てて歩かないと咳込んでしまう。各所に火山ガス検知器があって、濃度が高くなると警告ランプがつくようだ。今回は警告ランプはついていなかったが、十分苦しかった。

エンマ台を先に進むと雷鳥沢キャンプ場が見下ろせる。しかし、かなり急な階段を下りていかなければならないため、ホテルの人にはお勧めされなかったのだが、どうしてもその先の称名川に行ってみたいので、意を決して先を進む。

とても冷たい水が流れてくる。ここで足を付けてしばし水遊び。そして、この後火山ガス煙る地獄の階段を上って室堂平にもどる。相変わらず標高が高い場所なので、それだけでも苦しかった。

いよいよ雄山にアタック

前日、室堂平を歩く、体を慣らし、そして十分な栄養と睡眠をとり、いざ雄山へアタックです。前日のうちにホテルに朝食をお弁当に変更してもらうお願いをしましたので、朝6時半、お弁当を受け取ってチェックアウトし荷物をロッカーにいれて、出かけます。飲み物は、もちろん立山玉殿の湧水。

室堂登山口から一の越山荘へ

一緒に登ってくれる友人と相談し、10分おきに3分休憩をとる。休憩のときには水分と栄養を取り、深呼吸して体にしっかり酸素を入れる。このペースで一の越までは疲れることも苦しくなることもなく無事にたどり着く。いい天気、良い眺め。朝ご飯のおにぎりを2つ頂きます。

一の越から雄山山頂へ

いよいよここから急登が始まります。岩を這いつくばって上がっていきます。5分おきに3分休憩を取ります。休憩時は必ず水分と栄養をとり、深呼吸して、さらに携帯酸素を一回吸います。疲れていなくても、苦しくなくてもこのペースを崩さず登ります。

ペースを乱さず、ゆっくりゆっくり登っていたら、いつのまにか山頂。信じられない。感動で言葉が出ない。うれしい。なんて素晴らしい美しい景色なんだろう。

山頂で500円を払って雄山神社で参拝してもらい、お弁当の残りを食べて、景色を堪能しました。雄山山頂でお金を払えばお湯をもらえるため、カップラーメンを持参しましたが、お弁当だけでお腹いっぱいになりました。

雄山から~大汝山~富士ノ折立~大走り~雷鳥沢

当初、室堂平~雄山往復ルートで計画していましたが、高山病もなく登れたので、少し縦走してみることにしました。天気がやや怪しくなってきたので心配でしたが、雨に降られることなく、時折青空を眺めながら歩くことが出来ました。雄山から先も、岩山が続き、なかなかスリルある道が続きます。バランスを崩したらアウトだと思うと、緊張の連続です。でも楽しい。初めての3000m、初めての縦走。雄大な景色。なんて幸せなんだろう。

いっぱい写真を撮りたかったのですが、正直そんな余裕はなく、写真は友達に任せっきりでした。そして大汝山、富士ノ折立と歩き、真砂山は回避して大走りを下り、再び称名川を渡り、雷鳥沢キャンプ場に戻ってきました。そして地獄の階段と地獄谷の毒ガスを吸いながら室堂平に戻ってきました。

雷鳥沢キャンプ場には色々なコースから降りてきた登山客がいて、なかには剣岳から戻ってきた人もいて、皆さん達成感でいっぱいの自信に満ちた表情をされていました。次回は私達も剣岳まで足をのばしてみたいね・・・と話しながら今日のホテルに向かいます。

天狗平のホテル

室堂平からバスでも行けますが、時間も早かったし、ひたすら下り道なので、歩いていくことに。

こちらのホテルは、室堂平からちょっと離れていますが、夕日がきれいで、夜景もきれいで、朝日も拝めて、食堂からの景色も良くて、最高のホテルでした。もちろんお料理もおいしかったです。

タイトルとURLをコピーしました